岩手県北上市で創業した総合建設業・株式会社タカヤ様(現本社所在地:岩手県盛岡市)は、すでにITツールを一部現場に導入し、業務の効率化を図っていらっしゃいました。その先にある課題は、「ツールと情報の一元化」。その解決に向けた第一歩として、e-Standの導入を決めたといいます。同社サステナビリティ推進室の田中裕二氏と環境建設事業部の千葉雅司氏にお話を伺いました。
「e-Stand」で実現する様々なツールやアプリの一元化
株式会社タカヤ様の現場では、出入りする社員が図面や工程表、デジタルカメラなどの代わりにタブレットを持ち込みます。
「現場に行くのに、図面を印刷して、カメラやパソコンを持って……となると、手間も時間もかかります。今は写真管理や労務安全管理のアプリなどがあるので、タブレットひとつで作業ができてとても便利です。しかし、アプリが増えていくと、どこに何があるのかわからなくなってしまい、これを一元化したいと考えていました」
そう語るのは、同社環境建設事業部の千葉雅司氏です。建設業界の2024年問題を受けて、業務の効率化が急務だった同社。2023年にネクストフィールドにご相談いただく前も、千葉氏が旗振り役となって現場にタブレットを導入し、さまざまなツールやサブスクリプション(サブスク)のアプリを試験的に使用していました。
「各現場には社員が10人くらい関わっているのですが、皆で同じサブスクを利用していても、情報を共有する術がなかったんですね。e-Standのダッシュボード機能があれば、情報が一元化され、相互共有が可能です。『これは使ってみたい』と強く思いました」(千葉氏)
「e-Stand」の導入で、より魅力的な建設現場へ
若手現場所長だった千葉氏の意見がきっかけで、タカヤ様はe-Standの可能性に着目。現場社員が持ち歩くタブレットへのe-Standの導入により、アプリや情報の一元化を実現し、さらなる業務の効率化へつなげていきたいという声があがりました。
同社サステナビリティ推進室の田中裕二氏は、こうした現場の意見を踏まえ迷うことなく導入に向けて動き始めました。
「現場の人が何を欲しいのかを丁寧にヒアリングして、必要なものであればコストをかけてでも導入したい。キツイ業界だと言われることもある建設業ですが、働き方の環境を整えて、若い人にも『タカヤの現場で働きたい』と思ってもらいたいですね」(田中氏)
左:サステナビリティ推進室・田中裕二 氏 右:環境建設事業部・千葉雅司 氏
ダッシュボードに感じた「無限の可能性」
e-Standが導入されてから、現場で大きな変化があったのはサイネージの設置でした。そこには作業工程表や気象情報が映し出され、作業を請け負う協力会社の皆様とも情報を共有できるようになったのです。
「e-Standでは、作業計画表や工程表をアップロードできるファイルビューワーや雨雲レーダーを搭載した気象情報、作業所MAPを一つの画面で見ることができます。たとえ社員が現場にいなかったとしても、共有したい情報をダッシュボードに映し出すことができます」(千葉氏)
全国の現場情報をひとつの画面に集約
一方で、現場からの情報を本社本社と各支店に即時共有することもあります。
東京本社の玄関を入ってすぐの場所に設置された、大きなモニター。画面に映るのは、各現場のリアルタイム映像です。あるとき、モニターを見ていた社員が大きな歓声を上げました。
「鉄骨がようやく到着しました!」
この日、関東の現場で鉄骨の納入が遅れていたそうですが、それが無事届いたのです。現場から報告を受けるまでもなく、その様子はリアルタイムで、遠く離れた岩手・盛岡の本社と東京本社に共有されました。
本社エントランスにあるモニターの様子
「これもe-Standでwebカメラの映像を一元化できたおかげなんですよ」田中氏がそう振り返ります。
「もちろん、現場を映すカメラはこれまでもありました。しかし、メーカーが違ったり、個々の仕様が違ったりで、一度にすべてを見ることはできなかったのです。今回、ネクストフィールドさんのアドバイスでカメラを統一し、e-Standのダッシュボードで映像を一元化することにしました」(田中氏)
実際に現場に行かなくても様子を確認したり、管理したりできる。これはとても画期的なことだったと言います。
「現場の社員が自分の持ち場を遠隔で管理できるだけでなく、出張の多い経営層も全国各地に点在する現場の映像を一度に見ることができます。それぞれの立場の人間が自分に合った使い方ができる。e-Standに“無限の可能性”を感じました」(田中氏)
自社に合った最適なツールを提供してくれる
e-Standの標準装備ですでに業務の効率化を業務効率化への一歩を踏み出した同社ですが、まだまだダッシュボードの可能性に懸けたいことがあると言います。それは、使用頻度の高いアプリとの連携です。
「現在は、アプリを一覧にしてそこからそれぞれに飛べるようになっていて、それも便利ですが、ゆくゆくはe-Standから直接さわれるようにしたい。ネクストフィールドさんに開発をお願いしているところです」(千葉氏)
これがうまくいけば、e-Standひとつですべての作業が完結できるようになります。地球温暖化による異常気象など、環境の変化が激しい現代。“人”に負荷がかかり、命の危険がある仕事だからこそ、DXでそれを改善していきたいと話します。
「ネクストフィールドさんは、NTT東日本の持つ技術力と信頼、そして飛島建設が有する建設業界への知見が合わさってできた会社です。だからこそその知見を持って、自社に合った最適なツールを提供してくださるはずだと期待しています」(田中氏)