e-Standを導入した背景

東北地方整備局 秋田河川国道事務所 茨島出張所が管轄する雄物川の河川整備工事は、複数の工区に分かれ、10社以上の建設会社が施工するため、事業の円滑な進行と受発注者間における情報連携が必要となっていた。そこで一元的な現場情報の可視化と、建設会社同士の情報共有を目的に、建設ダッシュボードの「e-Stand」とWebカメラ、気象センサーを工事現場に導入した。

e-Standを導入した結果

これまで各建設会社が提出し、発注者側で統合、回覧していた工程表や車両搬出入などの情報を、e-Stand上に各社がファイルをアップロードすることでリアルタイムに共有できる環境を構築した。

また各工区の建設会社においても、カメラ映像やWBGTなど各気象センサー値、流域河川水位のWebサイト情報などをe-Standを通じて一元的に可視化するとともに、センサー閾値を超えた時はアラートを発することで、豪雨や猛暑など異常気象時における迅速なリスク回避判断を可能としている。これらのことから発注者側の業務生産性の向上や工事全体における管理機能の強化につながっている。

今後の展望

道路や鉄道、ダム工事など同一管轄内で複数工事が同時に稼働している事業において、受発注者間の情報共有や共通のリスク管理などは工事を円滑に進めるために、重要な要素である。同様に近隣住民に対しても積極的に工事情報を発信していくことが必要不可欠となっている。今後は、行事や検査予定、施工状況などの受発注者間での共有できる情報の充実度を向上させるとともに、デジタルサイネージによる情報発信においてもe-Stand活用の幅を拡充していきたい。