飛島建設株式会社様では、e-Standを全社の標準ツールとして採用しています。
福井県の建築工事現場である敦賀市新清掃センター作業所では、e-Standとデジタルサイネージを組み合わせて導入することで、現場内での情報共有の効率化とペーパーレスによる日常業務の省力化を実現しています。
従来のやり方にとらわれず積極的にDXを推進し、「若手が成長できる現場づくり」を目指す所長・主任のお二人にお話を伺いました。

◎課題

同作業所は飛島建設の中でも規模が大きい現場のひとつであり、常駐する現場職員や日々作業する協力会社の人数も多く、膨大な情報をタイムリーに共有する必要がありました。これまでは当たり前だった紙媒体を用いた情報共有では、情報更新や掲示物の差し替えに多くの手間がかかり、若手職員が事務作業に追われてしまうことが懸念されていました。

◎現場DXの取り組み

 e-Standで“現場に散らばる情報”を一元化

 

同作業所の職員が利用するPCは、起動と同時にe-Standを自動表示させています。

勤怠、Webカメラ(e-Sence)、作業間調整(Buildee調整会議)、クラウドストレージ(Dropbox)、出面、天候、作業計画図、社内周知など、日常的に利用する複数のシステムやアプリは多岐にわたります。これまでは個別に確認していた情報を、e-Standでまとめて一元表示することで、それぞれの情報確認にかかる時間が大幅に削減されたといいます。

また、e-Standの「行事予定」「タスク」などの機能を活用し、これまでホワイトボードで運用していた行事管理をデジタル化、職員ごとのタスクを見える化することで、全員が同じ情報をリアルタイムに把握できる運用を実現。スムーズなコミュニケーションや現場職員の作業平準化による効率的な現場運営につながっています。

現場ではe-Standを「情報確認の入口」として、各種情報へのアクセスをまとまめることで効率化を実現しています。

  *e-Standがブラウザ起動時に自動表示される様子(ディスプレイ画面右下)

デジタルサイネージと組み合わせ“掲示物ゼロ”へ

 

これまでは当たり前だった紙媒体の掲示による情報共有。
特に朝礼会場では、日々の作業計画図や作業主任者情報、安全施工サイクルや安全ポスターなど、たくさんの情報を頻繁に印刷・掲示・更新する必要がありました。

そこで安全掲示板にはデジタルサイネージを埋め込み、e-Standと組み合わせることで、紙の情報をすべてデジタル化。事務所にいながらパソコン上でデータを更新するだけで、情報を最新化できるようになり、タイムリーな情報共有を実現しています。特に若手職員の日常業務において、現場と事務所の移動や紙媒体を掲示・交換する作業など、日常業務の稼働削減を実現し省力化に大きく貢献しているといいます。

また、協力会社の作業員に向けても、これまでは朝礼/昼礼等での紙配布や、詰所掲示のみで周知していた情報が、朝礼会場を横切るだけで目に入るようになり、現場全体での安全意識の向上や災害防止にもつながっているといいます。

  *現場の安全掲示板でe-Standを活用し、出面情報や作業計画図を表示している様子

◎技術者として若手が成長できる環境を目指して

若手職員が技術者としてスキルアップするためには、限られた労働時間の中で、どれだけ「現場管理に集中できる時間を捻出することができるか」が非常に重要だと所長は語ります。
e-Standやデジタルサイネージを組み合わせて活用することで、ノンコア業務の省力化につながり、若手職員は掲示物更新などの事務作業に充てていた時間を「技術者としての専門業務への集中やスキルアップ」に使うことができるようになったといいます。

これらの現場の取り組みについて職員からは、
 ・「気になったときに複数の情報(カメラ/計画図/天気等)を一目デスクに確認できるので、事務所から出て確認しに行く手間が省けた。」
 ・「e-standとデジタルサイネージの活用は、安全資料掲示の手間が省け時短に繋がる。」
 ・「PDFをアップロードして朝礼会場の大きな画面で説明でき、朝礼の段取りも紙を配って説明していたときよりも遥かに楽になった。」
といった声が挙がっており、情報共有の効率化や日常業務の省力化を実感しているようです。

◎ 企業全体でのDX推進に向けて

敦賀市新清掃センター作業所は、単なるICTツールの導入にとどまらず、「若手が成長できる現場づくり」や「現場全体が安全かつ効率的に働ける環境整備」という明確な目的のもと現場全体でDXに取り組んでいます。
飛島建設株式会社様では、同様の取り組みを土木/建築問わず全社的に実施しています。e-Standだけではなく、デジタルサイネージやWebカメラ等様々なICTツールの導入が進んでいく中で、e-Standを中心にツールを組み合わせて活用する現場運営は、全社の標準形として広がりを見せています。
ネクストフィールドは、全社的なDX推進のために、現場組織と本社組織の双方と連携しながら、ICTツールの導入と定着支援を担っています。建設業界すべての人達に、最高の場を提供することを目指して、これからも皆様の全社的なDX推進と現場課題の解決をサポートしてまいります。